フルサイズのバイオリンを購入しようと思われる時、どこに行って、どのように選んで、どんなバイオリンを買えばよいのか…と悩まれる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなお悩みにお答えできればと思います。

 

①どこに行く?

バイオリンは、その辺のコンビニやスーパーで買う…のとは訳が違います。
できれば、先生やバイオリンの事をよくわかっていらっしゃる方と一緒に専門のお店へ行きましょう。
私も生徒さんが購入される時には、楽器店まで一緒に立ち会っています。

ネットで買うのは止めた方が良いことは、以下を読んでいただけるとおわかりいただけると思います。

②予算を決める

お店に予め予算を伝えておくと、その範囲でいくつか楽器を用意して待っていてくださいます。
将来、大学オーケストラや市民オーケストラなどで楽しみたい!と思われるなら、50万円〜100万円くらいの中から選ばれたらいかがでしょうか?
家で楽しむ程度で良い…という方は、20万円〜50万円くらいで良いでしょう。

バイオリン本体だけでなく、弓も購入しないといけません。
弓も予算内に入れるのか、それとも弓はまた別に予算を設けるのか、その辺りも考える必要があります。

最近は、楽器+弓+ケースがセットになっていて数万円〜の安価な楽器もあります。
バイオリンを続けていくかわからない…といった全くの初心者でしたら、そのような楽器でも良いかと思いますが、ある程度レベルが上がってくると、もっと良い音のバイオリンが欲しい、この楽器はどうも弾きにくいなあ、などの欲が、多かれ少なかれ出てきます。
そうした時には、予算を高くして買い直す必要が出てきます。
※セットになった楽器は、ネットでも購入できますが、輸送中に割れる恐れがあるので、駒を倒してあり弦も張られていません。
駒は自分で立てることはできませんので(バイオリン職人さんにお願いするしかありません)届いてすぐに音を出すことができないです。

③弾いてみる

当教室の生徒さんは、フルサイズのバイオリン購入はおそらく一生に一回、極稀に2回…でしょうか。
なので、ほとんどの方がフルサイズ購入の際に、たくさんのバイオリンを初めて弾き比べする事になるのです。

バイオリンって、どれもそんなに変わりないでしょう?って思われる方も少なくないですが、
初めて弾き比べをしてみると、
「色も形も全然違うんですね」「一つ一つこんなに違う音が出るとは思ってもいませんでした」などとびっくりされる事が多いです。

人との相性があるように、楽器も持った瞬間、「ん?これは合わないな」とか「あ!これは好きな音だ」など、直感的にわかるのですね。

④選ぶ

さらにいろいろ弾いていくと、
「この国の楽器の音が好きだなあ」とか「この工房製の楽器の形や色が綺麗で良いなあ」とか
「この楽器はよく鳴るなあ」などがわかってきます。
中には、音の出にくい楽器や扱いにくい楽器もあるので、直感的にでもそう思うものはなるべく選ばずに、力まずにスッと音が遠くまで響くような、そんな楽器が良いと思います。

 

余談ですが…。
楽器によって何がそんなに違うのかと言うと、一人一人の顔が違うのと同じように、製作している国や製作者、工房の特徴、年代や個体の性格などによって変わるのです。
これは値段にも比例します。

よく知られているストラディヴァリウスやアマティ、グァルネリなどといった楽器は、1600年代〜1800年代頃の、いわゆる「オールドバイオリン」と言われるとても高価なバイオリンです。
何千万円〜何億円、何十億円という値がついています。
1900年代以降の「モダンバイオリン」と言われる楽器も、何百万円〜何千万円もします。
これらは、製作された国や製作者の名前、製作年が書かれたラベルが楽器の中に貼ってあります。
世界に1点しかないので、鑑定書も付いていて大変貴重で高価なものになるのです。
中にはその鑑定書が本物かどうか怪しいものがあり、それはバイオリン目利きの専門の方に判断してもらい、信用するしかありません。

当バイオリン教室の生徒さんは、そこまで高価なものはおそらく必要ないので…^ ^予算の中で一番自分のフィーリングに合う楽器、無理なく音が出せる楽器を基準に選ぶようにすると良いと思います。

実際に選定に立ち会った時の事例はこちら